自己破産は返済不能な状況を申告する
この破産審尋の際に重要なのは、次の三点です。まずは借金の内容で、借金をした理由や金額、返済状況などを債権者一覧表という書類に一社ずつ記載します。借金をした理由も詳しく申告しなければなりません。
次いで、家計の状況も重要です。自己破産できるのは、返済する事ができない経済的状況にある場合に限られているので、現在の家計状況を記載した家計収支表を提出して理解を求めます。
最後は申立人の財産状況です。毎月の返済がどんなに行き詰まっていても、不動産や高額な生命保険といった換金する事のできる財産がある場合には「借金を返済する事ができない経済状況」とは認められません。また、自己破産するために、ご自身名義の財産を家族の名義に変更するような工作は、後々問題となりますので控えるべきです。
■免責不許可事由
破産審尋が済むと、二ヶ月程で免責審尋があります。これは、ほぼ形式的なものであり、5分程で終わります。慣れない面接は緊張すると思われますが、落ち着いて質問に答える事ができれば問題ありません。
実は面接よりも、申立書が受理されるかどうかが一つの山場なのです。ギャンブルや分不相応な買い物、旅行といった浪費による借金や、返済不能を知りながら確信犯的に借金をするといった免責不許可事由に該当する場合は、受理されない事も考えられるのです。
その他にも、破産状態にある事を隠して信用取引によって借入をした、商業帳簿作成の義務を守らず虚偽の記載、またはその帳簿を隠した、裁判所の調査で説明を拒否する、またはウソの説明をする、などが免責不許可事由になります。この免責不許可事由は、様々な項目があり裁判官によって考え方が多少違う事もありますので、必要ならば弁護士などに相談する事をお勧めします。
過払い返還、その方法
■過払い返還請求の方法
過払い金返還請求の手続きは司法書士や弁護士などの専門家に依頼する方法と自分でする方法があります。
司法書士や弁護士に依頼した場合は手続きのほとんどを代行してくれますので、自分で裁判所に出向くこともなく安心して任せることできます。しかし専門家に依頼した場合着手金や成功報酬などそれなりに費用がかかってしまうので、その点はデメリットとして上げられます。
自分で手続きをする場合依頼費用がかからないことが最大のメリットですが、ある程度の専門知識が必要とされる上に、書類作成から様々な交渉を全て自分で行うことになります。個人で取引履歴の開示を要求してもスムーズに応じてくれないことが多く見られます。裁判所は平日しか開いていませんので、仕事などで時間の確保が難しい方は専門家に依頼するようです。
■過払いの訴訟に必要なもの
訴訟を起こすともなれば更に、それまで用意した資料に加え訴状を作成しなければなりません。専門用語の羅列した書類ではありますが、インターネット上からその形式を入手できますし、参考本などもあって自分で作成することも可能なようです。
訴状と過払い金返還請求通知書・取引履歴開示通知書・法定金利計算書は各3部必要となります。裁判所の分と貸金業者の分、それと自分の手元に置く控えとしての計3部です。更にもう1通必要なのが、代表事項証明書です。
これは法務局で発行しているもので、被告となる貸金業者の存在と代表者が誰であるかを証明するものです。ここでも業者への更なる証拠として、契約書や領収書が必要になる場合もありますが、これらの資料を揃え裁判所に提出することで、不当利得金返還請求訴訟提訴となります。
債務整理、財産は残せるのか
■財産処分の必要がない、任意整理
債務整理をするとすべての財産が処分されてしまうと不安になる方もいますが、実際は必ずしも財産が処分されるわけではありません。
債務整理の手続きには、任意整理・自己破産・個人(民事)再生と主に3種類(特定調停を加えて4種類の説も)ありますが、任意整理と個人(民事)再生には財産の処分は必要ありません。任意整理の場合は、裁判所などの公的機関を通さず、毎月の返済額や利息を減らしてもらうように交渉し返済負担を減らす方法です。例えばローンが残っている家や車など処分されたくないものは指定すれば債務整理の対象から外すことができます。もちろんローンで購入した物でも返済済みの物や預金などには影響ありません。
任意整理は借金がゼロになることはありませんが、無理なく返済することができるようになります。
■個人再生も財産処分は不要
個人(民事)再生の場合も財産の処分は必要ありません。個人(民事)再生とは、住宅などの財産を失うことなく、裁判所など公的機関を通じて減額してもらった借金を原則3年間で支払っていくという手続きです。ただし、住宅ローンは一切減額されませんので注意が必要です。減額後の借金を3年間できちんと返済できれば、住宅ローン以外の借金は全て完済できたことになります。<
また、個人(民事)再生には借金の理由は関係ありませんので、ギャンブルや浪費などでの借金でも、住宅ローンを除いた借金総額が5000万円以下で、将来一定の収入を得ることができるという見込みがある個人債務者であれば利用することが可能です。
さらに、自己破産とは違い一定の職業に就けなくなってしまうというような資格制限もありません。
■必要最低限以外の財産処分が必要な自己破産
自己破産とは、多額な借金をしてしまい返済できなくなってしまったことを裁判所に申し立て、認められれば借金返済義務が免除されるという手続きです。
任意整理と個人(民事)再生の場合は財産の処分は必要ありませんが、自己破産の場合は20万円以下の預金や保険、一般的に必要とされる家財道具等以外の財産は、破産の決定を受けた時点で返済の原資として処分されることになります。
ただし、自己破産後に得た収入や財産は原則として破産者の物となり、自由に使うことができます。つまり、破産後に生活を立て直して購入できた車や家などは、財産として保有することが認められるということです。
あと注意したいのが、自己破産をすると手続きの期間約3~6ヶ月間は、資格制限により生命保険外交員や証券会社外交員、警備員などといった特定の資格を要する職業に就くことが制限されてしまうことです。